「労働が廃絶された社会はあるか?ゆとりちゃんじゃないですか?」
これは、まとも書房の代表であり労働の廃絶を進めている久保一真さんの、ゆとりちゃんで開催されたイベントでの発言。
ありがたい。それ、まさに僕が目指しているものでした!
久保さんは何をもってそう感じたのか。それを考えながらイベントレポートいう形でそれを追ってみたいと思います。
そもそも労働廃絶とは?
久保さんが翻訳されたボブ・ブラックの『労働廃絶論』によると、労働とは強制された苦役であると定義し、人や社会の役に立つことではないと論じられています。
また、お金による強制は労働の本質であり、それがモチベーションや能力を低下させると主張されています。
そして、ベーシックインカムの導入などによってお金の強制をなくせば、人々は自発的な貢献をするようになり、労働は廃絶される可能性があるとしています。
これをガチでやろうとしているのが久保さん。
ちょっと思想を垂れ流すね
「労働廃絶」に対する僕の立場としては、「今すぐ労働は無くならないと考えているが、遠くない未来にいずれ実現する。いや、させる」である。これについては久保さんと激論を交わした(カレーを一緒に食べて話しただけ)
そう考える根拠に「AIなどの技術は人間から労働を奪う」という言説が、ここ3年くらいは現実味を帯びてきているということが一つにある。3年前はまだ笑い話だったけど、2025年現在、それは実感を持って感じる。この文章も少なからずAIの力を借りている。
これは一見、悪いようにも見えるけど、それは今の資本主義的経済がこのまま維持されながら進むならの話。人々を奴隷にしたまま利益を独占する仕組みを作るのは簡単だろう。今のところ、みんながイメージしやすいのはその世界じゃなかろうか。まさにターミネーターだ。シュワちゃんが現れるのはちょっと見たい。いやかなり見たい。
だけど、そんな未来は予測済みで、そのためのSFなわけです。でもこんなの、民衆の意志があれば簡単にひっくり返ると考えています。人間が想像できることは対処ができるんじゃないかって根拠なく僕は考えている。
技術は民衆が利用して「支配」からの脱却を目指すべき。それをもって人々を強制された苦役から解放することは可能だと考えています。
「この世から(完全には難しいかもしれないが)労働を廃絶することは可能、その利益は人々に分配できる」というのが僕の今の考え方です。その利益の分配方法はベーシックインカムなのかもしれない。インフラどうすんねんとか課題はたくさんあるけど、今のところ、僕の脳では思いつかない。教えろサム・アルトマン。
ちなみにこの日はAIの話なんて一切していないです。だから労働廃絶は人間だけの力じゃまだ遠そうってのは僕の思いです。
思想強め〜。
ゆとりちゃんはアンパンマンの世界を目指す
労働の廃絶はいずれ可能として、じゃあ人間は今後何をするのか。それは「遊び」じゃないかと考えています。
久保さんの言葉を借りて 遊び = 自由で自発的な貢献 と定義してみます。
イベント中に「アンパンマンの世界」と表現したのは「労働が廃絶されてベーシックインカムがある世界」なのですが、まさにあの世界はみんな労働から解放されていて、「自由で自発的な貢献」すなわち「遊び」をしています。
ジャムおじさんは「みんなが喜ぶから」という理由でパンを焼き、大雨の中でもパンを届ける。お金はもらわない。ハミガキマンは「人々は歯磨きをするべきだ」という1イシューで人生を謳歌している。現実世界にいたらこう言われるだろう「働け」。しかし、この世界ではそれが当たり前なんですよね。
これからの人間は自分がどんな「自由で自発的な貢献」ができるかを見つけてそれを楽しむということをするべきだと考えます。
ゆとりちゃんはこのアンパンマンの世界を目指している。
僕自身は「こんな世界があったらいいな」という思想をいろんな活動を通して表現している。まさに「自由で自発的な貢献」として。今回久保さんに声をかけたのもその思想に基づいている。
ゆとりちゃんに関わる人にはいつも「自由で自発的な貢献をそそのかす」これが今回のイベントのタイトルにもした「気軽に退職をそそのかす」ことの本旨であります。
これが「遊び」です。
「労働が廃絶された社会はあるか?ゆとりちゃんじゃないですか?」うれしいから2回書いた。
ゆとりちゃんの活動について、久保さんのイベントレポートにこう書いていただいた。
ここに辿り着く人たちはたいてい、労働社会に押しつぶされた人たち。労働の中では自分の納得いくように生きることはできなかった彼らが、ゆとりちゃんでは、労働ではない遊び(もちろんそれは雇用されていないという意味ではない)を中心とした生き方へと、人生をデザインし直している。まさしくこれが労働なき世界である。「なぜ労働は廃絶されなければならないのか?」というテーマを語るのに、これ以上の場所はないだろう。 久保一真 「5/16 軽率に退職をそそのかすナイトinゆとりちゃんレポ」より引用 https://note.com/kaduma/n/nf66c894439ff
ゆとりちゃんに関わってくれてる人たちを紹介したときのことをこのように表現していただいた。
まさに、僕が目指しているというか理想とする環境で、あの一瞬でここまで理解していただけるとは考えておらず、とてもうれしかった。
こういうところを見ていただいて
「労働が廃絶された社会はあるか?ゆとりちゃんじゃないですか?」
と言っていただいたんだと思う。うれしかった。3回目。
僕がやってることは全部「遊び」です
というわけで、僕は今やってることが大好きで、頭に浮かんだことをやりたくて仕方がない。便宜上それを仕事って言ってるけど、正直に言うと全て「遊び」なんです。ゆとりちゃんは、みんなにとって「遊び」をたくさん見つけられる場所で、アンパンマンの世界であればいいなと考えています。
ちなみにハミガキの大事さを訴え続けている「リアルハミガキマン」は、ゆとりちゃんのお客さんにいます。別にそそのかしてないんですが。
さぁみんな!労働を廃絶して、アンパンマンの世界に入ろう!
インフォメーション
「労働廃絶論」や「ベーシックインカム」などについては久保一真さんの著作が詳しいので、ぜひお読みください。本があまり得意でない人も、「14歳からのアンチワーク哲学」はかなり読みやすいのでぜひ!
イベントの動画もまだ見れますのでぜひ!
久保さんのイベントレポートが最高なので、これこそ読んでいただきたい!
以下、イベント告知文です。
いつも言ってる「仕事やめよう」をイベントにしました。
今の仕事をやっていくべきか、ゆるやかに問い直してみませんか。
今回のイベントは、労働をめぐる根源的な問いをテーマにしたゆるやかなトーク&バーイベントです。
ゲストに、著書『14歳からのアンチワーク哲学 なぜ僕らは働きたくないのか?』『働かない勇気』や訳書『労働廃絶論』で知られる哲学者・久保一真(ホモ・ネーモ/まとも書房代表)氏をお迎えします。

聞き手は「ゆとりちゃん」の中迫智也が務めます。
「なぜ僕らは働きたくないのか?」「労働の終焉は可能なのか?」
“労働”をめぐる本質的なテーマについて、哲学と実践の両面から語り合います。
2Fでトークセッションをしたあと、参加者同士が自由に語り合えるバータイムもご用意。
自分の「労働観」や生き方について、気軽に共有できる夜です。
日時
2025年5月16日(金)19:00〜(トークイベント)/バータイム 〜23:00
場所
ゆとりちゃん&ユトリ画廊
参加費
1,000円(バータイムのチャージ代込み)
新社会人は500円
オンライン配信あり
【こんな方におすすめ】
- 「働くこと」に疑問や違和感を持っている方
- 新社会人や、5月病を感じている方
- 哲学や新しい生き方に興味がある方
- 久保一真氏や「ゆとりちゃん」に関心のある方
- 「無職界隈」や多様な働き方に興味がある方
【内容(一部)】
- 久保一真氏によるトーク:「なぜ労働は廃絶されなければならないのか?」
- 「労働の終焉」は現実的な選択肢となりうるのか?
- 「強制された労働」と「遊びのような労働」の違い
- 参加者とのクロストーク・質疑応答
- バータイムでの自由交流
そんな一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。
あなたのご参加をお待ちしています!
※イベントの様子はオンラインでも配信予定です。
※グループワークやアイスブレイクなど、参加者同士の交流もサポートします。
え?この日は仕事?やめましょう