消えた第六天魔王の要塞:『メタル本能寺』潜入記

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日付
January 31, 2025
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ライター:キヨス・ハッタ 2023年11月某日

歴史の闇に葬られた、驚愕の真実。あなたはそれを信じることができるだろうか? 天下統一を目前にしながら、家臣・明智光秀の謀反により、本能寺で非業の死を遂げた織田信長。通説では、炎に包まれた本能寺で自害したとされる彼の死は、日本史最大のミステリーの一つとして、今なお多くの謎を残している。

しかし、近年、歴史研究家やオカルト愛好家たちの間で、信長の死にまつわる衝撃的な都市伝説が囁かれているのをご存知だろうか? それは、「本能寺は実は金属でできており、信長は今も生きている」という、荒唐無稽とも思える説だ。

その名も「メタル本能寺」──。

当初、私は一笑に付した。しかし、あまりにもまことしやかに語られるその噂、そして、断片的に見つかる奇妙な「証拠」の数々…。いてもたってもいられなくなった私は、真実を確かめるべく、現地調査を決意した。

手がかりを求めて、いざ京都へ

京都市中京区、かつて本能寺が存在したとされる場所は、現在、石碑が建てられ、静かな住宅街となっている。しかし、この地に足を踏み入れた瞬間、私は、何とも言えない異様な空気を感じた。まるで、何者かに見られているような…。

付近の住民に聞き込みを試みるも、皆一様に口が重い。「夜中に、地鳴りのような音が聞こえることがある」「たまに、金属が擦れるような音がする」と、曖昧な証言しか得られない。しかし、その怯えたような表情は、何かを隠しているように見えた。

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地下から響く、爆音の旋律

決定的な証言を得られぬまま、数日が過ぎた。諦めかけたその時、一人の古書店主が、興味深い話を聞かせてくれた。曰く、「本能寺跡地の地下には、巨大な空洞が存在し、そこから、時折、奇妙な音楽が聞こえてくる」という。

「その音は…そう、まるで重金属(ヘヴィメタル)のようじゃった…」

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古書店主の言葉に、私は、背筋が凍るような感覚を覚えた。これこそ、探し求めていた「証拠」ではないか?

深夜、私は再び本能寺跡地を訪れた。闇に包まれた住宅街は、不気味な静寂に支配されている。石碑の前に立ち、耳を澄ます。すると…微かに、地響きのような音が聞こえてきた。音は徐々に大きくなり、やがて、それは明らかに、ヘヴィメタルの爆音へと変わった。ギターのディストーションサウンド、ドラムの重低音…そして、野太いシャウトが、地下深くから響き渡る。

間違いない、これは「メタル本能寺」から漏れ聞こえる音だ!

南蛮胴具足の真実

私は、ある古美術商から、信長が愛用していたとされる「南蛮胴具足」に関する情報を入手した。その具足は、一般的な鉄製ではなく、未知の金属合金で作られており、驚異的な強度と耐火性を誇るという。

「信長は、この特殊な具足を、当時、最先端技術を持っていた南蛮の技術者と共同で開発したと聞いています。おそらく、本能寺も、同じ金属で作られていたのではないでしょうか?」

古美術商は、そう推測した。もし、この推測が正しければ、本能寺が火災で焼け落ちなかったことも、説明がつく。

そして、伝説の目撃情報へ

さらに調査を進める中で、私は、驚くべき目撃情報を入手した。近年、世界各地で、黒いレザーの鎧を身にまとい、髑髏のヘルメットを被った、謎のギタリストが目撃されているというのだ。その風貌、そして、圧倒的なギターテクニックは、まさに「メタル織田信長」そのものだと、噂されている。

さらに、銀色の鎧を身にまとい、顔の半分をマスクで覆った、凄腕のドラマーの目撃情報も…。こちらは、「メタル森蘭丸」ではないかと囁かれている。

彼らは、世界各地のメタルフェスに突如現れ、伝説的なパフォーマンスを披露しては、忽然と姿を消すという。

「メタル本能寺」への入り口を探せ!

私は、再び本能寺跡地へと戻った。地下から聞こえるメタルサウンドを頼りに、周辺を徹底的に調査する。そして、ついに、私は見つけたのだ。「メタル本能寺」への入り口と思われる、不自然なマンホールを…!

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しかし、マンホールは固く閉ざされており、容易に開けることはできない。その時、私は、古書店主の言葉を思い出した。「特定の周波数のメタル音楽を流すと、扉が開く」という、あの話を…。

私は、スマートフォンを取り出し、あるメタルバンドの曲を再生した。その曲は、信長が作曲したという噂のある、「第六天魔王」という曲だ。

すると…奇跡が起きた! マンホールが、ゆっくりと開き始めたのだ!

地獄の業火か、栄光への道か

目の前には、地下へと続く、暗く長い階段が伸びている。この先に、何が待ち受けているのか? 「メタル織田信長」と「メタル森蘭丸」は、本当に存在するのか?

恐怖と、そして、抑えきれない好奇心に突き動かされ、私は、意を決して、階段を降りていった…。

地獄の業火か、栄光への道か

「第六天魔王」の旋律に導かれ、私は「メタル本能寺」への入り口を開いた。地下へと続く階段は、想像以上に長く、そして、不気味な雰囲気を醸し出している。まるで、異世界への入り口に迷い込んだような感覚だ。

一歩、また一歩と、慎重に階段を降りていく。壁面には、松明(たいまつ)のようなものが灯されており、赤い光が、周囲を妖しく照らしている。空気はひんやりと冷たく、金属の匂いと、微かな硫黄の匂いが混ざり合っている。

しばらく進むと、階段は終わり、広い空間に出た。そこは、巨大なドーム状の空間であり、壁面には、無数の計器類やモニターが設置されている。まるで、SF映画に出てくる秘密基地のようだ。

そして、空間の中央には、巨大なステージが設置されており、そこには、漆黒のギターと、銀色のドラムセットが置かれていた。間違いない、これは「メタル織田信長」と「メタル森蘭丸」の楽器だ!

邂逅、そして衝撃の真実

その時、ステージの奥から、二つの人影が現れた。

一人は、黒いレザーの鎧を身にまとい、髑髏を模したヘルメットを被った、大柄な男。その手には、禍々しいオーラを放つ、漆黒のギターが握られている。

もう一人は、銀色の鎧を身にまとい、顔の半分をマスクで覆った、細身の男。その傍らには、巨大なドラムセットが置かれている。

彼らこそ、「メタル織田信長」と「メタル森蘭丸」…!

彼
彼らこそ、「メタル織田信長」と「メタル森蘭丸」

「何者だ、貴様…!」

信長が、低い声で私に問いかける。その声は、地鳴りのように、ドーム全体に響き渡った。

「わ、私は…その…あなた方の噂を聞きつけて、調査に来た、ライターです…!」

恐怖に震えながら、私は、精一杯の声を振り絞った。

「ふん、物好きな奴よ…。だが、ここへ来たからには、生きて帰すわけにはいかぬ」

信長は、そう言うと、ギターをかき鳴らし始めた。すると、周囲の空気が振動し、私の体は、金縛りにあったように動かなくなった。

「もはや、貴様に逃げ場はない」

蘭丸は、冷たく言い放ち、ドラムスティックを構えた。

絶体絶命の危機…! しかし、その時、私は、あることに気づいた。信長の弾くギターの音色、そして、蘭丸の叩くドラムのリズム…それらは、紛れもなく、私が探し求めていた「あの曲」だったのだ。

「ま、待ってください! あなた方が演奏しているその曲…もしかして、『第六天魔王』ですか!?」

私は、咄嗟に叫んだ。すると、信長と蘭丸は、演奏を止め、驚いたように私を見た。

「貴様…なぜ、その曲を知っている…?」

信長が、怪訝そうな表情で問いかける。

「私は…その曲の、大ファンなんです! まさか、作曲者本人に会えるなんて…!」

私は、半ば興奮状態で、そう答えた。すると、信長は、意外にも、フッと笑みをこぼした。

「そうか…貴様、我が曲を愛してくれておったか…」

信長は、そう言うと、ヘルメットを脱ぎ捨てた。その下から現れたのは、驚くほど若々しい、精悍な顔立ちだった。

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「実はな…」

信長は、私に、驚愕の真実を語り始めた。

語られる「メタル本能寺」の真実

信長は、本能寺の変で死んでなどいなかった。彼は、南蛮の技術者と共同で開発した特殊な金属で、本能寺を秘密裏に建造していたのだ。それは、耐火性・耐爆性に優れた、まさに「不落の城」だった。

光秀の謀反の際、信長は、蘭丸と共に、地下の秘密通路を通って、本能寺から脱出した。そして、地下深くに築かれた「メタル本能寺」で、密かに生き延びていたのだ。

信長は、自らの肉体をサイボーグ化し、永遠の命を手に入れた。そして、蘭丸と共に、メタル音楽の研究に没頭していたという。

「我らは、メタル音楽の力で、世界を一つにしようと考えておるのだ」

信長は、熱く語った。彼は、メタル音楽こそが、人々の心を一つにし、世界を平和に導く力を持っていると信じていたのだ。

「そして、その第一歩として、我々は、世界各地でライブを行い、人々にメタルの魂を伝えておるのだ」

蘭丸が、補足するように言った。

信長の話を聞き、私は、完全に打ちのめされた。私が追い求めていた都市伝説は、真実だったのだ。そして、その真実は、私の想像を遥かに超えるものだった。

「貴様には、特別に、我らのライブを見せてやろう」

信長は、そう言うと、再びギターを手に取り、蘭丸は、ドラムセットの前に座った。

そして、演奏が始まった。それは、私が今まで聴いたことのない、壮絶なメタルサウンドだった。信長のギターは、まるで、炎のように激しく、蘭丸のドラムは、まるで、雷鳴のように力強い。

私は、その圧倒的なパフォーマンスに、ただただ、心を奪われた。

しかし、その時だった。突如、ドーム全体が激しく揺れ始めたのだ。

「な、何事だ!?」

信長が、驚きの声を上げる。

「信長様! 何者かが、外部から、メタル本能寺に攻撃を仕掛けてきているようです!」

蘭丸が、慌てた様子で報告する。

「馬鹿な…! このメタル本能寺は、あらゆる攻撃にも耐えられるはず…!」

信長は、信じられないといった表情で、周囲を見渡した。

しかし、揺れは、ますます激しくなり、やがて、天井の一部が崩落し始めた。

「くっ…! 一体、誰が…!?」

信長が、苦悶の表情を浮かべた、その時!

「信長ぁぁぁ! 覚悟ぉぉぉ!」

どこからともなく、野太いデスボイスが響き渡った。その声は、ドーム全体を震わせ、私の鼓膜を、激しく揺さぶった。

「その声…まさか…!」

信長は、目を見開き、声のする方を見つめた。

すると、崩落した天井から、一人の男が、舞い降りてきた。その男は、長い髪を振り乱し、黒いマントを纏い、異様な形状のベースを構えている。

「貴様は…! 明智…光秀…!?」

信長は、驚愕の表情で、その男の名を呼んだ。

「メタルベーシスト明智光秀」見参!

メ
メタルベーシスト明智光秀

「フハハハハ! 久しぶりだな、信長!」

男は、狂気に満ちた笑みを浮かべ、高らかに名乗った。

「我こそは、メタルベーシスト明智光秀! 貴様の天下統一の野望、そして、メタル界の支配…この、光秀が阻止する!」

そう、この男こそ、かつて信長に謀反を起こした、明智光秀、その人だったのだ! しかし、その姿は、私たちが歴史で習う明智光秀とは、あまりにもかけ離れていた。そして、彼が手にしているのは、ギターではなく、禍々しいオーラを放つ、4弦ベースだった。

光秀は、ベースの弦を弾きながら、語り始めた。その音は、低く、重く、ドーム全体を、不気味な振動で包み込んだ。

「我は、悪魔と契約し、メタルの力…特に、この地獄のベースラインを操る力を得て、蘇ったのだ! この、地獄の底からな!」

光秀のベースから放たれる、邪悪なリフが、ドーム内に響き渡る。その音色は、信長のギターとは対照的に、暗く、重く、そして、破壊的なエネルギーに満ち溢れていた。

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「信長…貴様が、メタルで世界を支配しようというのなら…我は、その野望を、徹底的に叩き潰す! この、メタルの力、そして、地を這うベースラインでな!」

光秀は、そう叫ぶと、ベースを高く掲げ、渾身の力を込めて、弦を弾いた。

すると、ベースから、強烈な衝撃波が放たれ、メタル本能寺の壁面を直撃した。衝撃波は、壁面を、いとも簡単に粉砕し、巨大な穴を開けた。

「な…何という、破壊力…! しかも、あのベースライン…グルーヴが凄まじい…」

信長は、光秀のベースの威力、そして、その圧倒的な演奏技術に、戦慄した。

「フハハハハ! これが、地獄の業火で鍛え上げられた、我が愛機『怨嗟』の力よ!」

光秀は、狂気の笑みを浮かべながら、ベースを「怨嗟」と名付けた。

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地獄の業火で鍛え上げられた、明智光秀の愛機『怨嗟』

「信長! もはや、貴様に勝ち目はない! 大人しく、滅びるがよい!」

光秀は、「怨嗟」を構え、信長に、最後通牒を突きつけた。

「くっ…! まだだ…! まだ、終わってはおらぬ…!」

信長は、諦めずに、ギターを手に取り、光秀に立ち向かおうとした。

「信長様…!」

蘭丸も、ドラムスティックを手に取り、信長と共に戦う覚悟を決めた。

最後の聖戦(スリーピース・メタルバトル)

「信長ぁぁぁ!」「信長様!無事で!」「認めんぞ…こんな展開は…!」 今ここに、三人は、雌雄を決する時が来たのだ! そう、ギター、ベース、ドラム…三位一体のスリーピース・メタルバンド編成で! 信長と蘭丸、そして光秀…! 今ここに、「メタル本能寺」を舞台に、最後の聖戦(スリーピース・メタルバトル)が始まろうとしていた…!

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「ゆくぞ、蘭丸!」「ハッ!」 「死ねぇ!信長ぁ!」「フハハハ! 我がベースラインに酔いな!」

信長と蘭丸、そして、光秀による、最後のメタルバトルが始まる。それは、まさに、音楽による、最終戦争だった。

信長のギターが、炎のように激しく、空間を切り裂く! 蘭丸のドラムが、雷鳴のように轟き、大地を揺さぶる! そして、光秀のベースが、地を這うようなグルーヴで、全てを飲み込んでいく!

三人の演奏は、互いに、一歩も譲らず、激しく、そして、複雑に絡み合っていく。それは、まさに、カオスだった。

しかし、そのカオスの中に、奇妙な調和が生まれ始めていた。信長の激しいギターは、光秀の重低音ベースラインと共鳴し、蘭丸のドラムは、二人の演奏を、さらに高次元へと昇華させていく。

「な…何だ…!? この感覚は…!?」

光秀は、戸惑いの表情を浮かべ、演奏を続けた。

「信長…! 貴様…! まさか…!?」

光秀は、信長の意図に気づき、目を見開いた。

「そうだ、光秀…! 我々は、戦いの中で、最高の演奏に辿り着こうとしているのだ…!」

信長は、汗を拭いながら、光秀に語りかけた。

「戦いの中で…? 最高の演奏…? 馬鹿な…!」

光秀は、信じられないといった表情で、ベースを弾き続けた。

「信長様…! 私も、感じます…! この戦いの中で、何かが生まれている…!」

蘭丸も、信長の言葉に同意するように、ドラムを叩き続けた。

三人の演奏は、さらに熱を帯び、激しさを増していく。それは、もはや、単なる戦いではなく、音楽による、魂のぶつかり合いだった。

そして、その演奏は、ドーム全体を、光で包み込んだ。その光は、優しく、暖かく、そして、力強い、希望の光だった。

希
希望の光

奇跡のセッション、そして…

「う…ぐ…! 何だ…!? この感覚は…!?」

光秀は、苦悶の表情を浮かべ、胸を押さえた。

「やめろ…! やめてくれ…! その演奏を…!」

光秀は、頭を抱え、その場に、蹲った。

「信長…! 貴様…! 一体、何をした…!?」

光秀は、苦しみながら、信長に問いかけた。

「これは…! 我が魂の叫び…! そして、蘭丸、光秀、貴様との…セッションだ!

信長は、演奏を続けながら、光秀に答えた。

「光秀…! 貴様には、この想いが、理解できるか…!?」

信長の演奏は、さらに熱を帯び、ドーム全体を、光で包み込んだ。その光は、光秀の「怨嗟」をも、優しく包み込んでいった。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

光秀は、断末魔の叫びを上げ、その場に倒れた。「怨嗟」は、光秀の手から離れ、床に転がった。

信長の演奏が終わると、ドーム内は、再び、静寂に包まれた。

「終わったのか…?」

私は、息を呑んで、周囲を見渡した。

光秀は、床に倒れたまま、動かない。しかし、その表情は、苦悶ではなく、どこか、穏やかだった。

信長は、ギターを抱え、静かに、佇んでいた。

「信長様…」

蘭丸が、信長に駆け寄り、その肩に手を置いた。

「ありがとう、蘭丸…」

信長は、静かに、そう言った。

「しかし、光秀…奴は、一体、どうなったのだ…?」

私は、二人に、問いかけた。

「奴は…救われたのだ…」

信長は、遠い目をして、語り始めた。

「悪魔との契約から…そして、復讐の呪縛から…」

信長は、そこで言葉を切り、深くため息をついた。

「我らのセッションが…奴の魂を浄化したのだ…」

蘭丸が、信長の言葉を引き継いだ。

「音楽の力で…」

「我々は、奴を倒すために、最後の手段を使うことにしたのだ…」

信長は、そう言うと、ドームの壁面に設置された、巨大な装置を指差した。

「あれは…?」

私は、その装置を見つめ、信長に問いかけた。

「あれは…『メタル本能寺』の、自爆装置だ…」

信長は、静かに、そう答えた。

「自爆装置…!?」

私は、驚愕の表情で、信長を見つめた。

「奴を、悪魔との契約から完全に解放し、そしてこの、負の遺産を消し去るためには…これしかないのだ…」

信長は、悲しげな表情で、そう言った。

「しかし…それでは、あなた方も…!」

私は、信長と蘭丸の身を案じ、声を上げた。

「我々は、構わぬ…」

信長は、静かに、そう言った。

「我々は、もう、十分に生きた…そして最後に最高のセッションが出来たのだから」

蘭丸も、信長に同意するように、頷き、そして床に転がっている光秀を見た。

「そうだな、光秀…お前と最後にこのような形で演奏ができるとは…」

信長はそう呟くと、光秀のベース「怨嗟」を拾い上げ、優しく抱きしめた。

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「待ってください…! そんな…!」

私が、二人を止めようとした、その時、再び、ドーム全体が激しく揺れ始めた。

「もう、時間がない…」

信長は、そう言うと、自爆装置の起動スイッチに手をかけた。

「さらばだ、若者よ…」

信長は、私に、最後の別れを告げた。

「そして、メタルの魂を…決して、忘れるな…」

蘭丸も、私に、そう言い残した。

「待ってください…! そんな…!」

私が、二人を止めようとした、その時、信長は、自爆装置の起動スイッチを押した。

そして、伝説は伝説となる

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次の瞬間、メタル本能寺は、閃光に包まれた。 私は、咄嗟に、床に伏せ、頭を抱えた。爆発の衝撃波が、私を襲い、意識が遠のいていく…。

次に、私が目覚めた時、そこは、瓦礫の山と化した、ドームの残骸の中だった。

周囲を見渡すと、先ほどまで、信長と蘭丸、そして光秀がいた場所は、跡形もなく破壊されている。

私は、瓦礫をかき分け、三人の姿を探した。しかし、彼らの姿は、どこにも見当たらない。

「信長…! 蘭丸…! 光秀…!」

私は、三人の名を呼び続けたが、返ってくるのは、虚しい沈黙だけだった。

私は、力なく、その場に座り込んだ。

「メタル本能寺」は、爆発したのだ。そして、「メタル織田信長」と「メタル森蘭丸」、そして「メタルベーシスト明智光秀」は、再び、歴史の闇へと消えてしまったのだ…。

しかし、あの時、彼らが奏でた、奇跡のセッションは、私の心に、永遠に刻まれた。それは、どんな破壊兵器でも消し去ることのできない、音楽の真髄だった。

すべては、夢幻の如く

私は、瓦礫の中から、辛うじて脱出し、地上へと戻った。

振り返ると、先ほどまで「メタル本能寺」への入り口があった場所は、完全に崩壊し、跡形もなくなっている。

私は、しばらくの間、呆然と立ち尽くしていた。

この数時間の出来事は、まるで、夢だったのではないか?

しかし、私の服は汚れ、体には、擦り傷が残っている。そして、何よりも、私の心には、「メタル本能寺」で見た、あの光景が、鮮明に焼き付いていた。

私は、静かに、その場を後にした。

「メタル本能寺」の真実を知る者は、もう、誰もいない。

この物語は、私だけが知る、秘密の記録となるだろう。

そして、いつの日か、この記録が、再び、誰かの目に触れることを願いながら、私は、筆を置くことにする。

「メタル本能寺」の伝説は、ここに、終わりを告げたのだ。

しかし、信長、蘭丸、そして光秀が奏でた、あの奇跡のスリーピース・メタルセッションは、私の心の中で、永遠に鳴り響き続けるだろう…。そしてこの「最高の演奏」は伝説となり、後世に語り継がれていくに違いない。

(完)